mengineer's blog

ニッチなネタばかりですが。

SONY SNR1sは新しい基準?

SONYのサイトで発見しました、新しい基準らしいです、
低照度での画質評価用の指標で、CMOS限定、セキュリティ用途だそうで。 www.sony.net

SNR1sはSNRが1、つまりノイズと信号が等しくなる時の信号レベル、
sはSecurityという意味らしいです、何か見覚え有るなあ? と思ったら、
定義はEMVA1288のAbsolute sensitivity thresholdと同じですね。

つい先月発表されたようですが、SONYが決めた基準ということも有り、
今後こっちが主流になったりして?(少なくとも監視用では)

ということで中身を見てみます、以下は全て上記サイトから引用。

測定方法

f:id:mengineer:20160420162445p:plain

上図見たまんまです、色温度3200[K]の光源を18%のグレイチャートに当て、
照度100lxになるように調整、そこから所定の距離だけ離れた位置に
測定対象のセンサーを置いて、感度やノイズを測定する。

レンズやIRカットフィルターも付いた状態で測定するようですね。

計算式

下記の式(1)でSNR=1となる時の照度がSNR1s[lx]です。 f:id:mengineer:20160420163508p:plain

以前EMVA1288の世界その3で、下記の式が出てきました。

 { \displaystyle
SNR =\frac{\mu_{e}} {\sqrt{\sigma^2_{d} +  \sigma^2_{q} / K^2 + \mu_{e}}}
}

{ \mu_{e} }= G、 { \sigma^2_{d} +  \sigma^2_{q}/K^2} = Dark Noise と置き換えれば、(1)と同じですね、
但しこちらでは、この時の電子数から更に照度に変換するわけです。

SNR1sは小さい方が、より暗いところまで撮像出来るので高感度だと言えます。

Absolute sensitivity thresholdはSNR=1となる光子数でした。

小さい方が、より暗いところまで撮像出来ます、と言っても、
それが実際どれくらいの明るさなのかが判りにくかったです。

SNR1sは照度なので、より実用的なのかなという気がしました。
(どれくらいの明るさかをイメージしやすい)

いまひとつEMVA1288が普及しないのは、
こういった基準の判りにくさも有るのかもしれませんね。