過去記事はこちら
先日のネタで紹介したEMVA1288 3.1の変更点を規格書で調べてみました、
今回はおおまかな概要だけ、その中で重要そうな項目については引き続き、
また今後の記事で詳細を調べていこうと思っています。
Release3.1規格書の38ページ目に、3.0からの変更点が記載されています。
以下、上記番号順に見てみましょう。
1. 光源のスペクトル分布の考え方の変更
その1で出てきた、光子数(photon) μpの下記の計算式
式のが光源の波長です、3.1では近似波長を定義して
ピーク波長の代わりに上式で使うようになっています。
3.0では、光源の波長の平均値や標準偏差も定義する必要有りとか、
その他ややこしい計算式も載っていましたが、3.1ではそれらの内容は、
無くなっていました、要はシンプルな考え方に変わったようです。
波長が変わると光子数μpも変わりますが、影響を受けるのは量子効率だけです、
量子効率を厳密に計算するなら考慮すべきですが、それ以外は関係無さそう。
2. 飽和点の取り方
下記のグラフで、カメラが飽和する点を"saturation point”と呼んでいました。
従来はグラフの縦軸、デジタル出力の分散値が最大になるところでしたが、
3.1では、”より洗練されたアルゴリズム”を使うように推奨されています。
具体的には規格書の16ページ、6.6の下記の部分
グラフのカーブを右から見ていって、次の2つが自分より低くなっている点
通常は単に最大値と同じ点になりそうですが、カーブの形状によっては??
この方法で無いと駄目な場合が有るのかも?、うーんいまいち判りませんが、
今後は、この方法で見ていくようにします。
3. 直線性の評価アルゴリズム変更
絶対偏差で計算していたのを、higher dynamic range of modern image
sensors にも適合出来るように、相対偏差で計算するように変わってます。
これまでの記事で、直線性の評価は調べていなかったので、
今回の変更も踏まえて、別記事で詳細を見ていきたいと思います。
4. non-whiteness factorの削除
これもこれまでの記事で触れていなかったので、正直良く判りません….、
今後もっと良いアルゴリズムが出てくれば、復活するみたいな話です。
但しDSNUやPRNUについては、同じくこれまで全く触れていなかったので、
今後の別記事で詳細を調べていきたいと思います。
というのは、上記変更には有りませんが、以前の記事でも少し触れた下式
3.1ではSNRの計算で、DSNUやPRNUも考慮するように変わっているのです、
個人的にですが、ここが今回の一番のポイントじゃ無いかと考えているので。
5. Defect Pixel の変更
関連するヒストグラムのアルゴリズムが変わった?みたいな話なのですが、
ここもこれまで見ていなかったので、詳細を理解出来ていません。
現在公開されているカメラメーカーのEMVA1288データの中にも、
Defect Pixel関連のデータは無かった記憶。(私の知る範囲ですが)
今後は公開されるようになるのかな?
今回の変更に限らず、規格で決められた内容をどこまで測定/公開しているか?
これまでもカメラメーカーで様々だったので、調べる側で悩みのタネでした。
今回の3.1では、公開するデータシートの書式も共通化されるようなので、
今後はもう少し統一されて、比較しやすくなることを期待しています。